Twitter上でこんなつぶやきを発見。
中国全土の四川料理店がこの1年で4万軒減少。北京ではこの1年で約4000軒、上海で約3000軒減少。油っこく、塩分が高く、辛いものを好む中国人が減り、健康的とされるうまみの効いた食べ物を好む人が増加、うまみを楽しむ食べ物が好まれるようになっていると分析されている。 #中国
— China Tips by myokoi (@myokoi1962) 2018年5月25日
調べてみたところ元ネタはコチラの記事
■中国で昨年だけで四川料理店が4万軒減少 あっさり味好む中国人が増加中
http://j.people.com.cn/n3/2018/0523/c94475-9463420.html
■《中国餐饮报告2018》发布 川菜退烧 一年减少4万家
http://www.cwroom.com/hangye/zixun/cwroom_hangye_152734222415113.html
中国本土の四川料理ブームはピークを向かえたのか?
特にここ五年ぐらい四川料理の浸透ぶりはすごく、中国全土では四川料理のお店がぼこぼこと乱立。もともと人気があった四川料理がさらにブームになった印象がありました。
ところが…つい最近のデリバリーアプリ・美団の「中国飲食業界報告2018」の統計によると、中国全土の四川料理店がこの1年で4万軒減少した。16年と比べると、成都や重慶を含む多くの都市の四川料理店の数が減少した。北京を見ると、この1年で約4000軒、上海は約3000軒減少。
どうやらこの傾向は中国全土であるようです。以下の記事には広州の記者の方が広州市の四川料理店が密集する場所にて、実態を確認するために取材へ行ってきた内容がまとまっています。
出典:广州川菜馆进入“退烧期”,一年关门1626家!
http://baijiahao.baidu.com/s?id=1601454372284096605&wfr=spider&for=pc
広州での四川料理店の人気は?
広州市で人気四川料理店が密集している以下の場所。
- 广州市天河区兴盛路
- 广州市天河区体育西路体育西横街
こちらの記事よると兴盛路では大龙燚、小龙坎、蜀大侠、大嘴猫、川西坝子、水川石、禄鼎记、大宅门等、人気火鍋店、四川料理店では8割以上の稼働率。
実際に兴盛路にて四川料理店を経営している老板に話をきくと、
昨年から少しづつお客が減ってきた、特に若い客。ただし、一定数のお客はいる。有名な四川料理店ということもあり、集客はできている。
体育西横街の方はというと、こちらは有名な四川料理チェーンではなく、知名度がないローカルな店が多い。なので、だんだんと淘汰され、減少している。
まとめ
結論はというと、記事の中のこの言葉に要約されているかと。
“不时不食,不鲜不食”的广州,广州的消费者口味转变相当迅速
わかりやすく訳すと
旬と鮮度を大切に食べる…それが広州。広州の消費者の流行り廃りは早い。
これは何も広州だけの話ではありません。食べることに並々ならぬ関心を示す中国。食の流行は次から次へと移り変わります。
ここ最近は味がしっかりした四川料理がトップを走りつつ、湖南料理も後に並ぶという感じでしたが、飽和してくると次は「重口味(重いガッツリ系)」→「品鮮型(新鮮さっぱり系)」に移るのかもしれません。
実際に四川省成都でも日本料理の人気が半端なく、いまやいたるところで日本料理のお店があります。これも味覚の多様化によるものかと。
ただし、変わらない四川の味というのはずっと継承されるはずです。その証拠として、10年前は一斉を風靡した菜種油など植物性の油を使った清油火鍋から、今は伝統回帰、ガッツリ系の牛油火鍋に戻っています。
そして、火鍋の聖地重慶では油を濾して使いどんどん味が染み込んでいく老油を使った火鍋も普通に存在します。
流行りに振り回されない伝統的で本当においしい料理は長くずっと愛されるていく・・・四川料理はそういう料理です。一時のピークがきてもずっと愛されつづける料理。
四川料理は時代の流行にもなり、伝統回帰した古典料理にもなり、今後も中国、日本、世界中でぼくらを楽しませてくれるはず。
ということで、四川料理は流行り廃りを超越する料理へと進化していく、ぼくら四川料理マニアとしては、そう願いつつ、今日もおいしい四川料理を探し、食べつくしていきます。
いつか日本でも中国と同じように四川料理店が飽和状態となり、淘汰されるという現象が起きるかもしれません。しかし、その時には四川料理はさらに進化し、流行りを超越してスタンダードになっていく…それぐらいポテンシャルがある料理だと感じています。
さぁ、今日もおいしい四川料理を作り、食べましょう!!
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中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
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