About me
中川正道。四川省公認の四川料理の専門家、麻辣連盟総裁、時色株式会社代表兼デザイナー。2002~2006年まで四川省に滞在、四川料理に魅了される。2012年に単身、四川省へ行き、四川の仲間たちと200店舗の四川料理店を食べ歩き「おいしい四川」サイトをリリース。2014年夏に日本初!四川料理食べ歩きガイドブック「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」を出版。2日間で10万人を動員した四川フェス主催。 これまでの活動が実を結び、2018年のマー活、花椒が話題になる。2019年の麻辣ブームの火付け役。


 

今年の3月に四川省北部の広元市で四川料理の取材をしていたとき、ある繁盛している足裏マッサージ屋さんを発見しました。そのお店は外から見ると明るく、中も清潔。ゆったりできる椅子には人がびっしり。ここすごい繁盛しているな・・と記憶。

 

それから時は過ぎ、今年の12月に武漢で同じお店を2軒発見。これはたしか、広元で見たあの店・・?夜だけど、すごい繁盛している。

 

そして、成都に移動し、どうしても気になったので、ホテルの近くのお店に体験することにしました。

 

まずはじめに、修脚とは?

日本人の感覚でいうと足裏マッサージは足のツボを押すイメージ。しかし、中国では「修脚(シュウジャオ)」という足裏の総合サービスが一般的。

一般的な修脚はこんな感じ。気持ちがいい。

 

修脚の内容としては

①最初に足湯をする

②足湯している間に手や肩などのマッサージをする。

③30分ぐらい足湯をして、ふやけた足の角質を削る

④足のマッサージをする

というのがサービスの流れ。

 

漢方たっぷりの足湯

 

郑远元(ジャンユェンユェン)を体験する

会計は明瞭。修脚のみの場合、足湯の中に入れる中身によって変わるが45元~50元。マッサージ付きの場合、60分で約100元くらい。

ちょうどプロモーションしていた生姜薬膳的な足湯と、おすすめされた塩で足を殺菌するというサービスをつけて、60分で138元。サービスを受けた感想はというと

 

めちゃくちゃ気持ちがいい。超リラックスできる。

 

一番驚いたのは客層。体験した店舗はチベット族も多く住む肖家河という成都の下町の店舗だったが、漢族のおばちゃんからチベット族のおじさんまでいる。携帯をずっと見ている若いおねぇさんもきているし、若男女がサービスを受けに来ている。

 

両脇を支えられてチベット族の高齢のおばあちゃんも来ていた・・

 

試しに四川フェスをずっと支えてくれている成都在住のleaに「郑远元」ついて、聞いてみたところ、

 

わたしのお母さんも会員ですよ!郑远元、安いですよね!

 

という。

 

そこで、郑远元に興味がでて調べてみたら、なんと中国全土で1万店舗以上もある。ニューヨークにも進出。今、破竹の勢いで増えている。

 

そこで、一体、どんな企業なのか、ざっくり調べてみました。

 

※店内はこんなイメージ

貧しい農村から始まった、ひとりの青年の物語

1983年、陝西省の山あいの貧しい村、陝西省安康市紫陽県に生まれた鄭遠元(郑远元)。中学を中退し、建築現場や飲食店で働きながら家計を支えていました。転機は2002年、偶然出会った「修脚」というサービス。“手に職をつければ人生が変わる”という直感を信じ、鄭遠元は技術を磨き始めます。

 

2005年、たった1店舗から始まった“静かな革命”

2005年、陝西省漢中市に最初の「鄭遠元專業修脚房」が誕生。当時の中国では修脚はまだ一般的ではなかったが、 「医療的修脚」 という新しい概念を打ち出し、タコ・魚の目・水虫など、生活者が抱えるリアルな足の悩みに向き合いました。

  • 低価格で高品質
  • 農村や地方都市に寄り添う価格設定
  • 労働者・高齢者の“足の痛み”に応えるサービス

この戦略が、確実に人々の心をつかんでいきます。

 

貧困地域の人々を支える仕組み

「技術があれば人生は変えられる」
「無料で技術を教え、働く場まで用意する」

という考えのもと、鄭遠元は独自の仕組みを作り上げます。

 

最初の研修拠点が置かれたのは、鄭遠元氏の故郷である陝西省安康市紫陽県。地方政府と提携し、授業料も教材費も寮費もかからない職業技能訓練学校を設立。そこには、農村の若者や学歴のない人や働き口を探している多くの人たちが集まってきました。

 

その施設で数週間から数ヶ月の研修で、修脚や足つぼ、健康管理などの技術を身につけ、卒業後は企業の店舗で正社員として働けるようする。

 

安康市で成功したこの取り組みは、陝西省内の他の都市にも広がっていきました。安康市(紫陽県)、漢中市、西安市にも広がり、特に省都である西安市では、企業本部や高度な研修の中心地として機能。

 

全国へ広がる研修ネットワーク

事業が成長するにつれ、研修は陝西省を越えて全国へ広がります。

・雲南省(昆明市、昭通市)
・貴州省(貴陽市、畢節市)
・四川省(成都市、達州市)
・湖南省(長沙市)

これらの地域では、現地の職業学校や政府の訓練センターと連携し、 「鄭遠元班」と呼ばれる特別クラスを設け、研修生は地元で技術を学び、卒業後は上海や北京、広州などの大都市、 あるいは地元の店舗で働く道が開かれる。

紫陽県の山村から出てきた若者が、数ヶ月の無料研修を経て、 上海や北京で安定した収入を得るようになったというのは、地元では有名な話。地方政府もこの取り組みを「貧困扶助の成功例」として評価、メディアでもたびたび取り上げられました。

 

全国へ展開、“修脚”が浸透する

独自の仕組みを作り、事業を軌道に乗せ、鄭遠元はフランチャイズで急拡大。2024年には 1.1万店以上 に到達し、従業員は 5万人以上 に。その多くが農村出身者と言われています。

また、一部店舗では糖尿病患者の足のケアなど医療的サービスも導入。「鄭遠元」は業界の雄となり、薬品・製品の製造、教育機関、健康管理プラットフォームへと事業を広げています。

現在、年間売上は推計で80〜100億元(約1,600〜2,000億円)。非上場企業でありながら、ここまでの規模に成長したのはすごすぎる・・

アプリはこんな感じ

 

まとめ

店舗数が多すぎて管理しきれない、地域差によるサービスレベルのばらつき・・などなど、課題はあるようです。

 

しかし、中国全土に何万店舗も存在する怪しげで不衛生、謎の店・・という修脚店をここまでさわやかに、清潔に作り替えたのは本当にすごい。

 

しかも、ぼくより5歳も年下の83年生まれ、若い。中国は定期的にすごい人間を生み出しますね。

 

「郑远元」日本人がサービスを受けても、きっと満足します。そのうち、東京にも進出するかもしれませんね。その時は、真っ先に体験しにいきます!

 

 

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中川正道
中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
四川料理マニアたちがつくる四川料理の祭典「四川フェス」主催。過去動員数累計24.5万人。四川料理、しびれ、麻辣、マー活ブームに火をつけ中華業界を盛り上げる。