About me
中川正道。四川省公認の四川料理の専門家、麻辣連盟総裁、時色株式会社代表兼デザイナー。2002~2006年まで四川省に滞在、四川料理に魅了される。2012年に単身、四川省へ行き、四川の仲間たちと200店舗の四川料理店を食べ歩き「おいしい四川」サイトをリリース。2014年夏に日本初!四川料理食べ歩きガイドブック「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」を出版。2日間で10万人を動員した四川フェス主催。 これまでの活動が実を結び、2018年のマー活、花椒が話題になる。2019年の麻辣ブームの火付け役。


 

ツアー1日目:観光とお昼ご飯

通常のパッケージツアーであれば観光がメインで、食事は二の次という優先順位。しかし、ぼくらの四川料理超食べ歩きツアーは逆です。朝から2回のごはんを食べたから、お腹を減らさないといけない。だから、観光をする、というわけです。

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成都市郊外の新津にある知美術館へ

お腹を減らすために今回訪れたのは知美術館(zhi art museum)。

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こちらの美術館は隈研吾氏がデザインしたことで有名です。隈研吾氏は数々の名作の建築物を建てた巨匠。来年開催される東京オリンピックの舞台となる新国立競技場も隈研吾氏の設計です。

そして、知美術館のこの独特な感じロゴは無印良品デザイナー原研哉氏の作品とのこと。

知美術館

こちらの美術館について

光と水をテーマとした本館は、「道は自然に法る」という東洋の哲学を体現するもの。水に囲まれた建物の外壁には、地元の工場で伝統工法によってつくられた瓦をステンレスのワイヤーで固定。軽やかで透過性のあるスクリーンをつくりだしている。この瓦のスクリーンは自然光を館内に引き込む役割を果たし、ラフでナチュラルな瓦を使用することで、建築は周囲の自然と有機的に調和している。

出典:隈研吾がデザイン。中国・成都の「知・芸術館」を知っているか?https://www.nippon.com/ja/people/e00101/

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平日にいったので、お客さんはぼくらだけ。ほぼ貸切状態。この日は中国の書家と抽象画家である魏立剛(ウェイ・リーガン)氏の大回顧展「万物」が開催されていました。

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巨大な墨のアート。二階建ての大きな美術館。空間も贅沢に使っています。

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瓦がワイヤーで固定され、独特の景観に。

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三種のトンポーロウを食べつくすために眉山へ

アートをみて、感性が刺激されたら、次は胃袋に刺激を。

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眉山市は東坡肉(トンポーロウ)を編み出した蘇東坡(スートンポー)氏の故郷でもあり、漬物の泡菜(パオツァイ)で有名な古都です。

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眉山を代表する老舗「眉州東坡酒楼」へは市内中心から専用の電動送迎車で移動します。

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先発組を見送り、送迎車を待つ間、おばぁちゃんたちが体操していたので、一緒にストレッチ。

「あんたたちどこから来たの?一緒にやるかい!?」と元気なおばちゃんたち。

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ストレッチも終わり、最後は皆で記念撮影。おばちゃんたちから、たくさんの元気をもらいました!

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眉山の古い通りを抜けて、5分ほど走ると老舗「眉州東坡酒楼」へ到着。まさに中国という建築物に皆さん大興奮。

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雰囲気ある中国の四合院風の建物。緑と調和して気持ちがいい場所です。

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20人の電動円卓で食べる絶品四川料理たち

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最初に眉山名物の泡菜をいただきます。眉山の泡菜は少し甘みを入れるのが特徴です。

 

名物である東坡肉の由来とは?

北宋時代、役人であった蘇東坡(1037~1101)氏が徐州(現江蘇省の北部)に赴任。管轄の村が洪水に襲われました。その時に城壁に囲まれた徐州城を開門し、多くの民を救いました。

蘇東坡に救われた民は恩返ししようと、たくさんの農作物と豚を献上しました。蘇東坡は

洪水で疲弊しているのは民です。この豚肉を使い、红烧肉(中国風角煮のようなもの)を作ってください。

と指示を出します。そして、民に红烧肉をふるまいました。

民たちは

洪水から我らを救ってくれ、さらにこんなにおいしい红烧肉まで…感謝を込めて、この料理は東坡肉だ!

と言い始めました。この噂が徐州で広がり、黄州と伝わり、杭州へと広がったといわれています。

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そんな物語がある東坡肉。トロトロ煮込んだ豚バラはまさに絶品。20人円卓なので、一周したら一瞬で消えていました(笑)

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そして、こちらの料理は東坡肘子。東坡肉は豚バラなのですが、こちらは肘肉。ちなみにこの料理の生みだしたのは蘇東坡の妻、王弗(ワンフー)と言われています。

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そして、次はぼくも大好きな蒸した東坡肉こと「東坡扣肉(トウンポーコウロウ)」または四川風の呼び方をすると「咸烧白(シェンシャオバイ)」。豚バラ肉の油が下の芽菜に入り、ごはんお供に最高にあう料理です!

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こちらは筍の炒めもの。さっぱりとした素材を活かすのも四川料理の一つ。

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定番の麻婆豆腐も注文。ラー油がいい感じです!

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こちらは前菜の定番の「卤盘(ルーパン)」。豆腐干や肉類など醤油ベースの漢方タレに漬け込んだお酒のお供。

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こちらは具だくさんの茸のスープ。箸休めに最適です!

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定番の「青椒皮蛋(チンジャオピータン)」。青椒を焼く(烧椒)が味噌です!

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こんな感じで1周目はまずは撮影する。2周目で食べ始める。20人もいると電動円卓でないと回せないですね。

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こちらは確か「毛血旺(マオシュエワン)」。内臓から野菜まで盛りだくさんの素材を辛いスープで煮込みます。

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四川の定番料理「鱼香肉丝」。茎レタスときくらげが伝統的な合わせる野菜です。

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自家製の香腸。昔は油っこく香が独特な中国ソーセージは苦手でしたが、今や大好きになりました。あればついつい注文しちゃいます。

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四川料理の定番「宫保鸡丁」。甘辛い鶏とピーナッツ炒めは誰が食べ手もおいしい味です。

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東坡肉をもう一回食べたい!ということで、追加で注文しました。やっぱり名菜はおいしいですね!

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蒸した東坡肉も食べたい!ということで、こちらも再度注文。

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20人円卓なので、料理を消費するスピードがすごく早い!もう少し大きな料理でなかなか減らない「土豆丝」を追加で注文。

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水煮肉片も追加で注文。これも大きな料理で具材もたくさん。みんなで分けて食べるのに最適です。

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もっとたくさんの料理ありましたが…一先ずお昼ご飯はこれで終了。しかし、料理が多い!

 

たっぷりのランチを後に

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1階にはお店オリジナルのたくさんの調味料も販売。すごくいい街なので、ツアーでなければお茶屋でゆっくりとくつろぎ、のんびり街を散策したい。

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中国の田舎へいくとぼくはなぜかほっとします。すごくリラックスし、落ち着きます。まだ自転車タクシーで人を乗せているところや、やたら道が広いところ、壁を赤土色ににっているところ。なぜか、心地いいんですよね。

 

中国語の文献を読んでいてもさほど苦じゃない。もしかして、ぼくのルーツは中国だったのかもしれない、たまにこういう写真を眺めていると思います。

 

だから、四川の田舎を巡る食べ歩きツアーはぼくにとってもすごく有意義な体験なんです。年何回も行うツアーではないですが、長く細く続けていければと思います。なにより、おいしいし!!

 

写真提供:Nishi Asami

 

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中川正道
中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
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