目次
四川省の伝統料理とは?
本当の四川料理をもっと広めたい!
そんな思いのもと、チカと二人で四川料理プロジェクトを始動し、早10年。世界一マニアックな四川料理サイト「おいしい四川」を作り、「涙を流し口から火をふく、四川料理の旅」を出版。
菊池さんと出会いから麻辣連盟を作り、四川フェスを開催するまで大きくなりました。その原点となるのが四川の伝統料理、四川で食べられている何気ない四川料理のおいしさです。
例えば、朝、起きて会社に行くまでに買う芽菜が入った肉マン(四川包子)だったり、お昼にたべていたモツ春雨とサイドデッシュの鍋魁(四川式パイ)。軽いお昼にぴったりの軽めのワンタン、学生向けのレストランで留学生たちとよく食べていた宮保鶏子、麻婆豆腐よりよく食べていた熊掌豆腐…
日常で食べていた何気ない四川料理。このおいしさをもっと多くの人に伝えたい!そんな思いのもと、四川フェスは運営されています。
伝統的な四川料理がたべられる5店
以下、5つのお店のテーマは伝統的な四川料理。どれも成都に住んでいた時に食べていた懐かしいばかり。この4つのお店と料理について、すこし詳しく説明します!
■中國菜 老四川 飄香
四川包子:500円(芽菜入り四川肉マン)、牛肉锅盔:600円(四川式牛肉パイ)、酸辣肥腸粉:600円(四川名物モツ春雨)、叶儿粑:600円(豚肉入り草餅)
■華美
熊掌豆腐:500円、藤椒アヒルの鎖骨:500円、四川辣炒麵(麻辣焼きそば):600円、酸辣魚翅湯(フカヒレ入酸辛スープ):600円
■三明物産×四川省厨師
酸湯牛肉:600円(酸辣の牛肉料理)、冒烤鴨:600円(四川名物煮込みダック)、よだれ鶏:500
■虞妃 – ユイフェイ
紅湯抄手:800円(スパイシースープワンタン)、原味抄手(ワンタン):800円、醪糟冰粉:500円
■四川省・成都文旅
宮保鶏子:800円(鶏肉とピーナッツ炒め)、宜賓燃面:500円(ラー油あえ麺)、四川風水餃:500円、成都麻婆豆腐:500円、通江銀耳湯:500円(白きくらげスーツ)
中國菜 老四川 飄香
四川省成都市と上海市で修行した井桁良樹オーナーシェフが率いる店。数ある中国料理店の中でも、プロの料理人にもファンが多い名店です。
今年のフェスでは、そんな井桁シェフが愛する四川の小吃(シャオチー:軽食的なもの)がずらり勢ぞろい。日本では珍しいものばかりですが、現地ではいずれも超メジャー級。
提供する料理は「え、こんなに渋くていいですか?」というぐらい渋い四川料理。おそらくこの提供する四川料理を食べたことがある人は日本に100人ぐらいしかいない…それぐいらいマニアックな渋い料理です。
特に今回目玉となるのは酸辣肥腸粉:600円(四川名物モツ春雨)。これは成都の名物麺で特に女性が大好き。本家本元は成都市の空港があ双流という地区。特徴は薩摩芋を原料とした麺。韓国のチャプチェと同じもの。
モツは新鮮で臭みは一切なし。激辛なラー油がかかり、つるつると麺をすする料理。現地では追加のモツを節子(ジエズ)といい、モツ追加が必須。
そして、叶儿粑:600円(豚肉入り草餅)。これはもう田舎料理のど真ん中の料理。
お餅の中に豚肉の餡をいれて蒸しあげた伝統料理。大都会にいくと大量生産された叶儿粑が多いのですが、楽山などの地方では自転車でおじぃさんが手作りの叶儿粑を売っていたりと…なにかほっこりする味。
井桁さん率いる飄香さんたちはこういう街場の原点のような料理を愛する方たち、人気の理由もうなずけますね!
華美―特級厨師がつくる伝統的な四川料理とは?
四川省を代表する特級厨師の楊聡シェフが率いる横浜・伊勢佐木町からくる華美さん。ここは中華好きの中で知る人ぞ知る名店。なんと業態は290円居酒屋。非常にリーズナブルに食事ができるというお店です。
以前、楊聡シェフにもっと高級路線のお店やらないのですか?と聞いたら、「みんなが食べたい料理を作る、これがぼくの考えです」と。敷居を低く、みんなが食べれる料理を提供する。楊聡シェフにとってはそこが一番重要みたいですね、納得です!
そんな心優しき 楊聡シェフが提供する料理に「熊掌豆腐」という人気四川料理があります。実は現地では麻婆豆腐より、熊掌豆腐の方がよく食べられています。ぼくも現地にいた時、何度、熊掌豆腐を食べたことか。
熊掌豆腐で使う豆腐は厚揚げした豆腐。味つけの決め手は豆板醬。しっかりした味付けでボリュームも多く、同僚、留学生と一緒にごはんをたべるときの定番でした。
覚えてほしいのは四川省では麻婆豆腐より熊掌豆腐が人気!熊掌豆腐を食べずして、四川料理は語れない。そんないぶし銀な料理をまずは食べてみてください!
三明物産×四川省厨師―四川省からの刺客!四川料理王が来る!
今の中華料理業界を牽引しているのは間違いなく四川料理。では、四川料理はどこから来たのか? それは皆さんご存知、四川省です。
四川省は中国内陸部にあり、重慶と合わせると1億人を有する巨大な省です。それ自体で一つの国といっても過言ではありません。現に三国志ではここは蜀とよばれ、劉備玄徳と諸葛孔明が治めた国。
そんな1億分の1とも言える四川省を代表する料理人、蘭明路シェフと許凡シェフが作るのが四川省成都の伝統料理。
特におすすめは「冒烤鴨」という四川名物の煮込みダック。
この料理はいわゆる街場の料理で留学していた時、よく食べていました。店頭にはこんがり火が通ったダックがぶら下がり、好きなダックを選ぶと、ガツガツ刻み、スープで煮込む料理です。
ぼくがよく通っていたお店はもやしなどの野菜と一緒にダックの血、内臓も一緒に煮込み、ボリューム満点でした。そんなドローカルな料理を今回は食べることができます!
まさにマニアックな四川フェスを代表するそんな料理です!
虞妃 ユイフェイ―四川伝統のワンタンを二つの味で!
ワンタンは中国語で一般的に餛飩(フントゥン)といいますが四川では抄手(チャオショウ)と言います。
抄手の味には大きく分けて二つります。一つは素材そのものを楽しむ原味(ウェンウェイ)。もう一つは紅油(ホンヨウ)というラー油をたっぷり入れた味。
今回、虞妃の佐藤シェフが作るのはまさに定番のこの二つ「原味」「紅油」。子供はさっぱりした原味で大人は辛い紅油で。
このワンタン、朝昼の定番料理ですが、実は家庭では愛されている料理です。四川料理の旅の共著の張勇のお母さんはワンタン作りの名人で、綺麗につくった素朴なワンタンは今でも懐かしい味です。
餃子より軽くさらっと食べるワンタン。いわゆる広東料理であるワンタンとは一味違う四川伝統ワンタンもぜひお試しください!
四川省・成都文旅―これが本当の四川料理!
回鍋肉と並び四川料理といえば、まずこれだよね!というのが「宮保鶏丁(ゴンバオジーディン)」。
鶏の胸肉を小さく切り刻み、ピーナッツと一緒に炒める甘辛い味つけの料理です。四川に初めて来たとき、現地の学生たちが注文する超激辛の料理に最初は順応できませんでした。
その時に比較的優しい味つけの料理、逃げ場の料理として、重宝していたのが「宮保鶏丁」。ただし、唐辛子と花椒もたっぷり使うので、ちょっとスパイシー。
この料理は四川料理の定番なのですが豆板醬は使いません。味つけは醤油、酢、砂糖というシンプルなもの。そこに唐辛子と花椒、ニンニク、ショウガなどスパイスをいれて香りを出します。
そして、かりっとしたピーナッツの食感と鶏肉の柔らかい二つの食感。絶妙な調和の中に様々な味が合わさります。まさに料理人の腕がこれでわかってしまうという恐ろしい料理でもあります。
宮保鶏丁のほかに地方料理の宜賓燃面(ラー油あえ麺)、四川風水餃(紅油餃子)、成都麻婆豆腐…そして、通江銀耳湯(白きくらげのスイーツ)という、なんとも渋いラインナップ。日本人が知らない伝統的な四川料理でみんなを満足させること間違いなしです!
まとめ
四川料理にはそのバリエーションの豊かさから
一菜一格、百菜百味(一つの料理に一つの格がある、百の料理に百の味つけがある)
という言葉があります。
みんなが知っている麻婆豆腐とは一味違う伝統料理もぜひ楽しんでください。
そして、四川料理さんにいき「熊掌豆腐(シオンジャンドウフ)」を作ってくれと言ってみてください。きっと四川料理人は「おお、知っているね!」と喜び、テンション上がって作ってくれるはずです!
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中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
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