About me
中川正道。四川省公認の四川料理の専門家、麻辣連盟総裁、時色株式会社代表兼デザイナー。2002~2006年まで四川省に滞在、四川料理に魅了される。2012年に単身、四川省へ行き、四川の仲間たちと200店舗の四川料理店を食べ歩き「おいしい四川」サイトをリリース。2014年夏に日本初!四川料理食べ歩きガイドブック「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」を出版。2日間で10万人を動員した四川フェス主催。 これまでの活動が実を結び、2018年のマー活、花椒が話題になる。2019年の麻辣ブームの火付け役。


 

ツアー1日目:幺麻子工場見学と藤椒宴

ボリュームたっぷりのランチを食べ終わった後に、向かったのは「洪雅(ホンヤー)」という地方都市。観光するところは特にないのですが、洪雅は藤椒(タンジャオ)という山椒の一大生産地。

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花椒は中国各地で生産されていますが、藤椒は洪雅でしか生産されていません。その藤椒を中国中に知らしめたのが藤椒を絞って藤椒油を作っている「幺麻子(ヤオマーズ)」という会社です。

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熱烈歓迎!ようこそ幺麻子へ!日本飲食エリート及び大料理人の麻辣連盟一行様!

幺麻子さんは今年の四川フェスにも参加していただき、ぼくらも仲良くさせていただいています。今回はぜひ、うちに遊びに来てください!と2代目社長の熱烈歓迎でお出迎え。

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幺麻子の近くに新しく作った藤椒畑を社長自ら、案内してくれることに。工場から歩いて5分で着きます。

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こちらが生の藤椒。7月は藤椒の収穫時期。身もかなり大きく育っています。

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藤椒畑を見学した後に次は藤椒油の生産工場を見学。

藤椒の豆知識

藤椒は乾燥させると香りがなくなります。なので、藤椒は圧縮して油をとることしかできません。そのためか2000年初頭まで藤椒油の存在は中国で知られていませんでした。

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中国各地で花椒は生産されているが藤椒は洪雅でしか生産されていない。

その藤椒油の存在を中国中に知らしめたのは「幺麻子」。幺麻子を創業した趙会長は、はじめ幺麻子飯店という飲食店をオープン。幺麻子飯店で販売していた街の特産の藤椒油が人気になり、本格的に生産を開始し、2002年に四川洪雅县幺麻子食品有限公司を創業。

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創業からたった17年で資本金1億元、売上3億元規模の産業に育った奇跡の企業「幺麻子」。幺麻子の功績は大きく、洪雅は藤椒の故郷として、有名になりました。創業当時の物語はこちらより。

奇跡を起こした四川の田舎企業ヤオマーズ!幺麻子藤椒油の成功秘話

藤椒油を使った料理教室

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用意してもらったのは、その場で郷土料理をつくってもらう料理教室。屋外の気持ちがいい場所で特別に開催。

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使用するのは幺麻子の看板商品「藤椒油」。さわやかな香りが冷菜や麺などに合わせると、食欲をそそる商品。

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四川料理の決め手ともなる油は質がいい特製の菜籽油(菜種油)を使用。まずは看板メニューの「藤椒鉢鉢鶏」を実演。

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こちらの藤椒鉢鉢鶏は四川フェスでも提供していただきました。深圳の方では藤椒鉢鉢鶏のレストランも展開しているとのこと。

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次は椒麻ソースの実演。できた椒麻ソースは涼粉の上へ。さわやかな夏の味です。

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最後は四川料理の定番「酸菜魚」。仕上げに藤椒油をかけるのが幺麻子流。

夕食は30種類のおもてなし料理

四川フェスでカカさんが、幺麻子の来日準備などいろいろとサポートした恩もあり、社長めちぇめちゃ気合が入った夕食をぼくらに用意してくれていました!

お酒は四川を代表する白酒「五粮液」、1本2万円以上する白酒!

一体いつになったら、料理がとまるのか…胃袋の限界を三回ぐらい超えました(笑)。その料理をご紹介します!

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まずは紅油鉢鉢鶏。料理教室で作ってもらったのは藤椒でしたが、こちらラー油ベースのスタンダードなもの。

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定番のピーマンと皮蛋の冷菜。ピーマンを焼いた烧椒(シャオジャオ)が香ばしくておいしい一品!

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もう一回きた!幺麻子が生み出した藤椒鉢鉢鶏。何回食べてもおいしい!串先には火を通し、細かく刻んだ鶏!

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こちらは醤牛肉。牛肉の冷菜です。中国のこういう煮込み系冷菜は本当、酒飲みにはたまりません!

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こちらも冷菜の一つ。筍のを薄切りにしたもの。中国の筍は一旦乾燥させるので、旨味が凝縮されます!

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こちらは酸菜魚。料理教室の品を宴席でもいただきます。

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鶏の胸肉を巧みに刻み、つくる鶏豆花という伝統料理。素晴らしい技術、味もおいしい!

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こちらはスペアリブのグリル。四川風のスパイシーな味付けが最高です。上に載っていのは押し麦?かな。

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料理を持ってくるときに「菜来了!」と叫んでくる給仕の元気なおっちゃたち。まるで中国映画の世界に入ったかのような感覚に!

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こちらは乾燥した筍を戻して、炒めた料理。食材が豊富なのが四川料理のおいしさの秘密の一つ!

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こちらは定番料理の一つ「笋子烧牛肉(筍と牛肉煮込み)」。成都に住んでいた時、一時期はまってランチは笋子烧牛肉という時期がありました。ご飯との相性は抜群!

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鮑の藤椒油入りの椒麻ソースをかけた一品。高級な食材も藤椒油でさわやかに!

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こちらは四川風のしゃぶしゃぶ。火鍋ほど濃くはなく、あっさりとした辛味のある味。スープも飲めて少し箸休めに。

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こちらのインゲン豆の炒め物なんですが、木姜油(ムージャン)を使って合えたもの。香はレモングラス、少しピリッとくる味。木姜油をかけると一気にタイ風になるから不思議!

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こちらは魚料理。酸菜魚とは別のはず・・・ああ、多すぎて覚えきれない!!

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兎を細かく刻んだ炒め物。四川で食べる兎って本当臭みもなく、おいしい。多分世界で一番おいしい兎料理が四川で食べれます!

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こちらは旬の野菜の炒め物。炝炒(チャンチャオ)で食べるとほっとします!

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どこに生えている苔(こけ)か不明なのですが、おいしい!四川料理で味つけすると何でもおいしくなるから不思議!

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まさかのナマコまで登場。ぼくらを気遣い、最大の歓迎を準備してくれる幺麻子の皆さんに感謝!!

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こちらは土豆泥(マッシュポテト)。ぼくが留学していた時に土豆泥が流行った記憶が。泡菜をいれた土豆泥は絶品でした。

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久しぶりに食べた黄瓜皮蛋汤(きゅうりと皮蛋のスープ)。夏の定番スープです!

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もうお腹いっぱい・・・と思っていた時にでてきた、おやき。豚の脂身を使いとろける餡が絶品!

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まだまだ来る主食系。こちらの花巻には藤椒が練りこんであり、さわやかな香り!

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日本へ来た時に希須林の麻婆豆腐を食べて、おいしい!と感動した幺麻子の社長。ぜひ、洪雅の麻婆豆腐も食べてほしい!ということで、急遽追加された麻婆豆腐。とってもおいしかったです!

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最後にお米もの。こちら乾燥した茸(名前忘れましたが高級なもの…)を粉々にし、炒めた〆の炒飯。シンプルな味に思わずペロッと食べれました!

やっと1日目終了

1日目に行ったお店は4店舗。ぼくらのツアーにしたら、少ないぐらいです。なぜ少なくしたかというと、最後に幺麻子の夕食が控えていたからです。

いつもこちらの予想を上回り、特別な歓迎の宴を用意してくれる幺麻子さん。以前はツアーや撮影できていただけですか、今年から四川フェスに参加するなど、日本を見据えた形でのゆるやかな提携もスタートしました。

「ある」を感じられる体験を

ぼくとカカさんが提供する食べ歩きツアーは四川という食文化とこれまでの関係性を活かし、企画をしています。ただ単においしいところへ行くのではなく、そこに人の心地よさや長い年月で生まれた食文化が「ある」。

「ある」を感じれるようなところへ皆さんを連れていきます。

 

長かった1日目も終了。本当は夜食もいこうかと思っていましたが、みんなお腹いっぱいで動けず…次は6店舗をはしごした怒涛の食べまくった二日目へ。お楽しみに!!

 

写真提供:Nishi Asami

 

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中川正道
中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
四川料理マニアたちがつくる四川料理の祭典「四川フェス」主催。過去動員数累計24.5万人。四川料理、しびれ、麻辣、マー活ブームに火をつけ中華業界を盛り上げる。