前回の記事の続きです。
安岳県の小吃を食べたのちに向かったのは大きな道路沿いにある菲美斯酒店という大きなホテル。
安岳県の友人によると、こちらのホテルではレモンを使った料理が楽しめる!ということで、行ってみました。
中国に流通している80%のレモンは安岳県産
話によると中国に流通している80%のレモンを安岳県では生産しているとのこと。そのためは街のいたるところにレモンの化粧品、レモン商品の広告があります。
最近では安岳県=檸都という別名をつけて街おこしをしているようですね。そんなレモンをふんだんに使った新しい料理が菲美斯酒店ではいただけます。
まずはレモン酒で乾杯!レモンを使った料理。
白酒にレモン入れたレモン酒をまずはいただきました。白酒は五粮液とのこと。食前酒のもってこい、少し砂糖をいれて甘くしている味です。後味に来るレモンの苦味。レモンの香りが強いので、白酒が苦手なカカさんも珍しく飲んでいました。
つい20分前に兎を丸一匹と砂鍋4つを平らげたばかり。。。店員さんのおすすめを4つほど注文して味見してみました。
一つ目の料理は檸檬双椒兎。生の赤トウガラシ、青トウガラシに身が引き締まった兎を賽の目に(丁)に切った冷菜。甘酢ぱく、ほのかにレモンの風味があります。
檸檬泡菜。檸檬を一緒にいれた白菜の漬物です。漬けてあるので、レモンの酸味は抜けていて、そのまま食べれます。白菜に移ったレモンの香り。この料理が一番レモンっぽい風味がありました。
これらの料理は新派川菜であり、新しい四川料理です。安岳県の気候を活かしたレモンを四川料理にアレンジ。今後、街おこし的な料理を狙っているようですね。
新しい四川料理の試み、おいしい四川ではこういう料理たちも応援していきたいと考えています。
安岳県の伝統料理をたべる
安岳県の名物の一つ「米巻(ミージュエン)」。米粉で作った広東料理の腸粉に煮た麺のようなもの。刻んだ唐辛子と薬味をいれ、ラー油と醤油、酢、にんにくで味つけをした郷土料理。
この料理に関して、銀座・趙楊の趙楊シェフからこんなコメントがきました。
要約すると
趙楊シェフの生まれは安岳県。毎回、成都に帰ると安岳県の友人から幼い頃食べていた米巻を買ってもらってくる。7歳まで安岳県で育った趙楊シェフ。小さなころに米巻は大好物だったみたいです。
ぼくの場合、幼いころに味わった味は今でも覚えていて、自分の好きな味のベースになっています。故郷の味と家庭の味が世界で一番おいしい、その次に好きなのが四川料理。
そして、もう一つの安岳県の名物料理がこちら。安岳酥肉(アンユェスーロウ)。ヒレ肉など油で揚げた料理を酥肉というのですが、安岳酥肉はほかの酥肉と違います。
まず衣の中に生のピーナッツがざっくりと入っています。さらに、肉は脂身。かりっと揚げた酥肉を一口かじってみると、生のピーナッツの柔らかい食感と素朴な衣の味がします。
メイン料理ではない、メインの前の前あたりに食べたい料理でした。成都生まれのカカさんはこの安岳酥肉にかなり感動していて、こんなの食べたことがない!とやや興奮。
食後の観光へ
お腹もいっぱいだったので、市内から数十分の距離にある観光地へも行ってみました。
大足石刻は仏教石窟として、世界遺産に登録されていますがこちらの石刻もなかなかの見どころがあります。
安岳石刻につてはこちらを参照 by 中国ゴールデン旅
安岳石刻は、山西省の雲岡石刻、河南省の龍門石刻、世界遺産である重慶市の大足石刻にも劣らないほどの迫力を持ち、漢詩の「南朝四百八十寺、多少楼台煙雨中」という中国では有名な歌にも詠まれたほどです。
石刻はそれぞれ滑らかな曲線で表現され、仏像や石刻に表された人々の表情はとても穏やかで見る者の心を和ませます。
1400年の歴史を誇る安岳石刻は雲岡石刻と龍門石刻の風潮をを継承し、大足石刻へ伝承した重要な役割を果たしたと言われています。
入ってからすぐにたくさんの石刻があります。なかなかの迫力。
大きな石刻は無傷の者も多く、状態も良好でした。
ただし、上に上がる連れて、仏像の頭が盗まれているも多く、こちらの石刻ではすべての頭がありませんでした…
カカさんに話きくと、これは文革後に仏像の頭は商品価値があるとされ、高値で売買された。その時に盗まれたとか…
まとめ
全く予備知識なく行った安岳県。半日ほど滞在し、ざっと街を見て回りましたが、ゆっくりと探せば魅力と見どころはまだまだたくさんあります。
街場の食べ歩きも楽しいですが、ホテルのいい環境でゆっくりと質の高い郷土料理を食べるというのも面白い経験です。
今回はお腹の満腹具合から、坛子肉(壺に入った豚肉煮込み料理)をパスしたので、次回、ツアーの時は思いっきりおすすめ料理を注文して、皆で円卓を囲み食べまくる予定です!
成都から重慶までの地方料理の旅、次は重慶市に属する璧山区へ。璧山の名物は璧山兎と来鳳魚、一体どういう料理かは次の記事で解説します。乞うご期待!
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中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
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