四川の夜食と言えば、スパイスが香る烧烤(シャオカオ)
小さな串を火鍋のスープで煮込む串串香、
真っ赤な火鍋など上げればきりがないですが、
ぼくが個人的に一番好きなのが「冷啖杯」(ランタンベイ)です。
(冷淡杯とも書きます)
成都にきたことがある方なら、一度は料理がずらりと並んでいるこんな光景を
見たことあるのではないでしょうか?
冷啖杯とは?
冷啖杯とは「冷たい酒を冷めた料理で食べる」という料理です。
料理は基本的にあらかじめ作ってあるものがほとんど。
鹵菜もあればよく見る四川の家庭料理など細長のトレーにたっぷりと作ってあります。
鹵菜について
中華料理の中で鹵(ルー)という料理法は古く、2500年前から存在したとの説もあります。
鹵とは様々な食材を漢方でも使う各香辛料と醤油ベースの特性タレに漬け込み、煮込むこと。
この特性タレを鹵水(ルーシュイ)と言います。四川では鹵をする前に塩、酒等で漬ける腌(イェン)を行うため、鹵菜の総称を腌鹵(イェンルー)といいます。
鹵菜は豚のあらゆる部位、豆腐、野菜など何でも食べます。
ぼくのお気に入りは、しっかりつけた豆腐干と豚の耳。
ぴりっとした一味をつけて食べるとビールのおつまみに最高です!
どんな料理が食べれるのか?
鹵菜以外であれば以下のような油をそんなに使わない、
冷めてもおいしく食べられる料理が多いですね。
- 煮花生(鹵の香りがするピーナッツ)
- 虎皮青椒(甘長トウガラシの炒めもの)
- 土豆丝(細切りしたジャガイモの炒め物)
- 干煸四季豆(サヤインゲンの炒め物)
- 干煸苦瓜(ニガウリの炒め物)
- 干煸茄子(茄子の炒め物)
- 肉末豇豆(酢漬けしたササゲと豚ミンチの炒めもの)
- 兎頭(ウサギの頭)
その他の料理はお店によって個性が出ます。
例えば小魚を揚げたもの、カリカリに魚を揚げて麻辣味に甘味を加えた香辣魚など
豚肉、家鴨などを炒めたもの…などバリエーションは豊富です。
注文方法
注文の仕方は好きな料理を指さすだけ。
「多少?(ドゥオシャオ)」どれくらい?と聞かれたら、
「一份(イーフェン)」一皿と答えましょう。
炒め物の料理の場合、一皿いくらと決まっています。
複数の炒め物がほしい場合、一皿に半分づつ盛ることも可能です。
そういう場合は以下のように注文します。
「一半一半(イーバンイーバン)」
炒め物の場合、大体一皿10元ぐらい。
鹵菜の場合は部位によってことなりますが価格は安め。
大人三人で軽く飲んで100元あれば足ります。
まとめ
昔一緒に働いていた四川大学に留学していた日本人の同僚が
この冷啖杯が大好きで日本で冷啖杯の店をやりましょう!と
語っていたことを思い出しました。
ぼくは昔、烧烤派だったので、断りましたが
今はいいかも!と思っています。
冷啖杯は路上でどこからか出てくる屋台のお店もあれば、
店舗を構えているお店もあります。
どの店も共通しているのは、外で食べること。
開放感は抜群です。
夏は涼しくなった夜に一杯飲みたいときに。小腹が空いたときに。
深夜までやっているので、テイクアウトも可能。
成都の夜に一杯飲みたくなったら、近くの路地を探し
「冷啖杯」屋さんを見つけてみてください。
成都のゆるい空気感の中でまったりと庶民の味を味わう
これぞオススメの旅の醍醐味です!
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中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
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