剣閣と聞いて、三国志・蜀の北方の砦だね?と答えられたら、四川人も驚くほどの歴史通です。
成都から車で北に約3時間。お米を使った麺で有名な「綿陽(ミェンヤン)」の先にあるのが「剣閣(ジェンガー)」。
この剣閣にあるのが「険門関を得れば、四川を得る」とも言われた天然の要塞「剣門関(ジェンメングァン)」。
三国志・蜀の姜維が最後に戦った舞台です。
剣閣と言えば
剣閣と言えば三国志なのですが、もう一つ有名なものがあります。
それが、剣閣豆腐。
この地域は豆腐作りに適した良質な水が取れることから、豆腐料理が絶品と言われています。
四川では
- 楽山の西坝豆腐
- 自貢の富順豆花
- 剣閣豆腐
など良質な豆腐を使った料理が多数あります。
その中で一番メジャーなのが剣閣豆腐と西坝豆腐。
剣閣豆腐とは剣閣で作られた豆腐を食材の中心とした料理といい、
その多種多様な豆腐料理をまとめて「豆腐宴(ドウフイェン)」といいます。
剣閣で人気の豆腐屋さん
豆腐宴を翌日に控えたぼくら美食の達人チームの夕飯は「自由に食べてよし、お金は出す」という、いかにも中国らしいアバウトな感じで夕食の店を探すことになりました。
上海から来たレシピメディア美食台の副編集長「載踏踏」、ツアーガイドをする新入社員の「小書」。
二人とも四川の食べ歩きをしたことないので、ここは中川がイニシアチブを握りました。
田舎でおいしいお店を探すコツは二つあります。
1つは知り合いの知り合いに聞くこと
中国人の友達ネットワークはかなり広いので、近くの出身の人に情報をきくと大体情報が集まります。
2つ目はお茶屋さんできくこと
ホテルのフロントでお店情報聞くと大体出稼ぎの子たち。ご飯はホテルで飯を食べるので、あまりおいしいお店をしらない。そこでお勧めなのが、お茶屋さん。
お茶屋さんの店主は大体女性。お茶屋さん普段からお客さんと良く話すので、いろいろな情報を知っています。
おいしい四川の取材でも困ったときは大体お茶屋さんです。あと地元のタクシーの運転手に聞くというのも有効ですね。どこの国でもそうですが、タクシーの運転手がご飯を食べに行く店にハズレはありません。
無形文化財にもなった老舗豆腐屋「白龍豆花」
お茶屋の店主に聞いたところ、剣閣の街で地元の人たちが一番行くお店が「白龍豆花」。そして、ここの名物は「酸菜豆花稀飯」(漬け物とおぼろ豆腐が入ったごはん)という一風かわった料理。
タクシーを捕まえ、早速「白龍豆花」へ行ってみました。
店の感じがいかにも地元!っていう感じです。他のお店はあんまり人がはいっていなかったのですが、こちらは沢山!
既に作ってある冷菜、スープ、料理から好きな料理を選び、その料理をつまみながら、ごはんを食べるスタイルです。
注文した料理はこんな感じ。酸菜豆花稀飯は想像していたお粥とは全然違い、豆腐料理の一種という感じでした。
最近子供を出産して陽気な店主に話しを聞いたところ、酸菜豆花稀飯という料理は店主の父が発明して作った料理で、剣閣県の中の白龍鎮という村が発祥とのこと。
店主に話を伺うと
豆花稀飯を作るのは実は超複雑。豆花稀飯の中には小豆、陳皮、生姜、ピーナッツ、花椒、香菜、トウガラシ、酸菜(青菜の漬物)、干した薩摩芋、面皮、豆腐と十数種類の具材、香辛料をまぜて作る。結構大変なんです!
この酸菜豆花稀飯は、もともと来客があったときに出していた料理だったようです。
この田舎料理をもっと多くの人に食べた欲しいと店主の父親は剣閣にお店を出し、地方政府に無形文化財として登録をし、伝統を守ろうと今でも勢力的に活動をおこなっているとか。
すばらしいですね!
この思いはぼくたち三人にも届き、どこか心がほっこりする。酸菜豆花稀飯はそんな味でした。
※ぼくらの世話をしてくれた小書は旅の途中いろいろ食べたけど、ここの料理が一番おいしかった!と語っていました。
さらに珍しい田舎料理は続きます。
お店でよく売れているという、煎米豆腐、面花儿,茄子餅,腊肉餅も注文。
これまた珍しい料理。どれも素朴な味わいで、シンプル。手のこった料理もおいしいですが、こういう田舎料理もいいですね。
ちなみに酸菜豆花稀飯はたった2元です。
上海出身の載踏踏さんはあまりの安さに驚き、ショックを受けていました。上海だったら、何十元するよと・・・
2元は安すぎですね。何か悪い気さえしてきます。。。
注文方法
「豆花稀飯一碗」(ドウホァーシファン、イーワン)
おかずを指さし全部盛りしたい場合、「菜,平一下」(ツァイピンイーシャ)
基本情報
おすすめ | 豆花稀飯2元 |
住所 | 剑阁县剑阁大道普成街32号 |
営業時間 | 6:00~22:00 |
その他 | 本店。2軒ほど支店あり。 |
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