About me
中川正道。四川省公認の四川料理の専門家、麻辣連盟総裁、時色株式会社代表兼デザイナー。2002~2006年まで四川省に滞在、四川料理に魅了される。2012年に単身、四川省へ行き、四川の仲間たちと200店舗の四川料理店を食べ歩き「おいしい四川」サイトをリリース。2014年夏に日本初!四川料理食べ歩きガイドブック「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」を出版。2日間で10万人を動員した四川フェス主催。 これまでの活動が実を結び、2018年のマー活、花椒が話題になる。2019年の麻辣ブームの火付け役。


キッカケは一通のメールから

EC限定で辛味の強い商品の発売を予定があり、今年も麻辣グランプリ開催される予定があれば参加したいのですが…

という一件の問合せがきました。宛先を見ると味の素さん!!ではないですか!?

 

せっかくなので、話を聞くと中国に出張に行った際に

「現地の火鍋のおいしさ」に感動し、めちゃめちゃとがった麻辣火鍋という商品を作ってしまったと。

では、試しにおくってください!という流れになり、きた火鍋商品がこちら。

温めるだけで食べれるボリュームある「麻辣火鍋」400g、花椒と赤唐辛子のしびれる辛さと豆板醤の深みのある本格辛旨鍋

甘く見ていました…辛くておいしい!!

味の素さんは一般消費者向け商品を出されている企業なので、いくら本格的といっても・・・と思っていましたが、実際食べてみるとびっくり。しっかり、辛いし、シビれる。

爽やかな香りもあり、苦みもいい。食べ終わった後、汗が噴き出ました。

牛脂こってりの重慶火鍋というより清油火鍋や麻辣燙(マーラータン)に近い味。それが、湯煎やレンジでチン!するだけで、手軽に食べれる時代が来たのか…と思うと、感慨深い方も多いのではないでしょうか?

まさに家庭で手軽にすぐ食べれる、味の素さんならではの画期的な火鍋商品ですね。

食べ方は簡単!6分湯煎する。又は電子レンジで温める。

ここで、疑問。そもそもなぜ、味の素さんが火鍋をだすのか?

なぜ、味の素さんが「火鍋」を出すのだろう?とよくよく、考えてみると、誰もが一度はお世話になったことがあるであろう、合わせ調味料「Cook Do®」シリーズは味の素さんのブランドだった!と今さらながら気がつきました。

そして、改めて並べてみると、Cook Do®シリーズは、回鍋肉と青椒肉絲など、華麗なまでに中国の家庭料理(家常菜)が主軸になっている。驚いたのは、このシリーズ、なんと発売44周年を迎えるということ!

つまり、味の素さんは、僕が生まれた頃から、中華調味料の開発をしており、中華とつながりが深いということを再認識したのでした

これで、『火鍋』というゴリゴリの四川料理を、味の素さんが発売する理由に妙な納得感。考えてみれば、日本の食卓に中華を広めてきた陰の立役者が、『火鍋』を出すというのは、時代の流れにおける新しい兆候なのかもしれません。

ちなみにCook Do®のコンセプトは、

「身近な素材をそろえるだけで本格的な中華料理が家庭で楽しめる」

なのだそうです。こうやって写真を見てみると、確かに手軽に手に入る食材で本格的な味を楽しめますよね。

ここで、ふと疑問。

「外食でしか食べれない本格中華を、おうちで手作りする」

という役割をCook Do®さんが果たしたならば、そもそも日本における外食産業で『本格中華』を食べれるようにした人がいたということ。せっかくなので、日本に四川料理・中華料理がひろまった経緯や立役者に簡単に触れてみようと思います。

 

【1.導入期】四川省出身の料理人「陳建民」氏によって、日本に四川料理が受け入れられる『土壌』が作られた

料理が好きな人なら、きっと誰もが、子供時代にテレビで鉄人たちの戦いに息を呑んだことがあるでしょう。

料理の鉄人でおなじみの陳建一氏、そのお父上である陳建民氏は四川省出身の料理人でした。そして赤坂にて『四川飯店』を創業。日本に麻婆豆腐、麻婆茄子、回鍋肉、エビチリ、担担麺など、様々な四川料理を広めた日本における四川料理の父。

まさに、日本に四川料理を伝道した偉大なる方だと僕は思っています。辛さの免疫がない当時の日本人に食べれるように、例えば『汁なし担々麺』をあえて、マイルドに『汁あり』で作る工夫を凝らすなど、日本人の舌に馴染むようにと『ちょうどいい塩梅』で四川料理の良さと日本人の味覚をうまくマッチさせてきました。

そのおかげで日本には四川料理が根付く土壌が作られられた、と言っても過言じゃないのかもしれません。

左から料理の鉄人でお馴染みの赤坂四川飯店二代目・陳建一氏、中川、三代目陳建太郎氏、鈴木総料理長。赤坂四川飯店さんで著書『涙を流して火を吹く四川料理の旅』出版記念パーティーを開催。その後、麻辣連盟結成、四川フェスなど、業界を盛り上げる企画を一緒にさせてもらっています。

 

【2.成長・成熟期】

そして、土壌ができたのち、成長・成熟期に入ります。

Cook Do®シリーズなど、家庭で食べる中華ラインナップが広がったというのが、この頃の特徴かもしれません。

僕も経験がありますが、部活でお腹が減って家に帰ると、やっぱりがっつりした肉が食べたい。そんな時に、中華だと白米とどんどん食べれてうれしかったのを思い出します。

実際に、味の素さんが主婦の方を対象に行った調査によると、

『食事の支度は簡単に済ませたい』けれど『本当はもっと子どもが、家族が喜ぶものを作ってあげたい』

という、想いが見えてきたそう。体にいい野菜もたっぷり、そして子供が喜ぶお肉も一緒にフライパンひとつでさっと作れる。そうして、家族が喜ぶ中華、四川料理が幾度もの食卓をへて、日本の家庭にじわじわと浸透していったのだと思います。

久しぶりにCook Do®を購入し、実際につくってみた。エビチリ、麻婆豆腐と両方ともおいしい。家庭で簡単に再現できるのは素晴らしい!

【3.再構築期】

そして、今、世は「ガチ中華」時代へ突入。海外へ出る人たちも増え、ますます、現地感がある味が求められるようになりました。本場の四川料理を広める。これは、『おいしい四川』がずっと目指してきた世界でもあります。

世の中に、麻辣商品があふれ、コンビニなどでも代わる代わる商品が展開されるのを見てきました。ついつい、手にとって、いろいろ食べてきて、もちろん美味しいものをあったけど、

「ん?これ、どこがそうなの?」

と寂しくなるような商品があったことも事実。周りの麻辣連盟の友人たちからは、「本当においしいか」見分けれるような印がほしい!という声もあがり始めていたほど(麻辣グランプリ発足のキッカケ)、今は、消費者がすでに「本当の味」を知っている時代。

商品が次々と発売される中で、きっとこれからは、ファンが本当に喜ぶものだけが厳選選別されて、しっかりと選ばれていく時代に突入していくのだと思います。

中国でも大ブームの火鍋、ポテンシャルは計り知れない

この再構築時代の、麻辣戦国期に、僕は密かに(?)次にブームがくる四川料理は「火鍋!」なんじゃないか?と数年前から肌で感じていました。

大きな兆候として、日本には今、たくさんの中国有名火鍋チェーンが進出しています。

海底撈火鍋 東京都:池袋、新宿、上野、秋葉原等 中国国内1400店舗以上
譚鴨血老火鍋 東京都:新宿、上野等 中国国内500店舗以上
小龍坎火鍋 東京都:上野 中国国内900店舗以上
蜀大侠火鍋 神奈川県:伊勢佐木町 中国国内500店舗以上
賢合庄火鍋 東京都:高田馬場 中国国内500店舗以上

こちらの火鍋屋はどれも中国国内で500店舗以上はある四川発祥の火鍋店です。東京を中心に店舗を拡大中。

さらに中国人経営の個人店の火鍋や日本人オーナーの高級な火鍋と今、日本でも火鍋がブームとなっています。また火鍋のスープを使って具材を煮込む通称一人火鍋の「麻辣燙(マーラータン)」のお店も続々と誕生しています。

まさに、火鍋はじわじわと流行っている。

外食での火鍋を経験する人たちは増えている。ということは、、、次は「家庭で火鍋を食べる」時代が来るはず

外食でしか食べれなかった火鍋を家で食べる時代に

四川省成都の火鍋

そう思っていた矢先、味の素さんから「火鍋」が送られてきたのは、運命を感じます。

 

実際に食べてみると、まず「火鍋の食べやすさの可能性」が広がったと感じました。

これまで、火鍋を食べる!となったら、選択肢は二つ。

①火鍋専門店へ行く外食する
②火鍋の鍋底(火鍋の素)を購入し、スープを足して火鍋をつくる。そして、具材などを用意する

という選択肢しかありませんでした。

しかし、今回の火鍋はレトルトで具材も入っているので、レンジでチン、または、湯煎で超簡単に食べれるという「第三の選択肢」ができた。これは火鍋が日本の家庭に浸透するよいキッカケになる予感(もちろん辛いので、子供達よりも大人が楽しむ料理として!)がする。

 

それにしても「火鍋」って、思いきったなぁ!

今までは、家族で食べれる中華のイメージが強かった味の素さん。そんな超大手の企業が四川料理の「火鍋」を手がける。はっきり言って、やっぱり「思いきったなぁ!」という気持ち。いや、うれしいのだけど。

今回の家庭で食べる火鍋の到来は、なにか日本における「家庭中華の新時代の幕開け」を予感させる!

と同時に、子供のため、と自分を後回しにしてきた、お父さんやお母さんも、もっと自分のために楽しんでいい。そんなメッセージも個人的に感じました。

 

きっと、味の素さんの手にかかれば、どんなに珍しい漢字の料理であっても、数十年後には楽々読めるようになるほど、世の中に浸透していくのだろうと想像しています。

本場の四川料理を広める活動に十数年、粛々と携わっている身からしたら、この新しい幕開けの予感は、すごくうれしいこと。日本の麻辣の民主化もうまくいき、次は火鍋の民主化へ…麻辣革命の夢は終わらない…

火鍋は、第三の鍋になりえるか?

例えば、冬の辛い鍋の定番といえばキムチ鍋。いつか、火鍋がその牙城を争う日が来るのかもしれません。日本のスーパーでは、担担麺風のゴマ風味の鍋つゆなどが多いが、やはり四川料理の代名詞の一つ「火鍋」をもっと家庭で食べれる機会が増えたらうれしい。

実際に、中国に全然興味がない、僕の家族も、火鍋の味にはまる人が続出しました(笑)

そうやって、中国や四川を知らない人でも、食べて、もっと多くの人が四川料理を好きになる。そして、まだ日本人が知らない本場の四川料理を食べる機会がもっともっと増えていく。ぼくはそんな世界を目指しています。

今回、味の素さんの火鍋を食べて、その手ごたえを感じました。

 

これだけでも、お腹いっぱいになるけれど、四川マニアの血が騒ぎ、ついついたっぷりの真っ赤な花椒香るスープを目の前にして、いろんな具材などのアレンジをしてしまいました。

そして、せっかくなので、四川フェスの仲間たちに配り、「#私の火鍋」というタイトルで、個性豊かな火鍋アレンジ選手権を開催することにしました。その様子はTwitterなどで配信する予定をしています。多様性の時代、チーズもいいし、ラムもいいし、可能性は無限大∞!!

四川フェスの仲間たち

好みの「#私の火鍋」見つけてみてくださいね!どうぞ、お楽しみに!!

 

商品の詳細はこちら https://amzn.to/3fN1tu4

 

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テキスト&写真:中川正道 編集:CHIKA

 

 

 

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中川正道
中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
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